「風紀〜〜〜!」
いつものように、朝、可愛い明日香の声が聞えてくる。
だが、何かが違う・・・。
ガチャ。
「風紀〜〜〜!」
部屋に入ってきたことだ。
俺の頭の中はこの後の光景は思い浮かぶ。
・・・・・・・・触られる・・・・・・・・
そのように俺の頭は理解した。
必死に俺の体全てに布団を纏わりつけた。
「な、何!?」
予想通り、俺の体を揺らすため触れられる。
何とか間に合った。
そう心の中で安心している時、明日香の可愛らしい声が耳に入った。
「昨日言うの忘れてたんだけど、今度家に来る時友達が明日香の彼氏と彼氏の友達も一緒にって言ってたの・・・今さっき思い出して・・・」
俺の耳元で「ごめんね?ごめんね?」と何度も繰り返し言っている明日香。
って、おいおいちょっと待て。
「明日香彼氏いたのか!?」
その言葉が真っ先に出てきた。
「何言ってるのよぉ・・・風紀のことだよ!」
「え・・・俺?」
もしかして・・・俺たち付き合ってるのか?
そう思ったのもつかの間、明日香は俺の期待を裏切る言葉を・・・。
「みんな勘違いしちゃってるんだよねぇ」
・・・ガビーン。
布団の中で大きく溜息をつく俺。
「それで、風紀友達2人用意しておいてね!日時は明後日、日曜日の12時に私達の家だから」
・・・ってお〜い。
「まさか、俺の何の了解もなしにこんなことまで決まってたのか・・・?」
「うん!」
流石天下の明日香。誰にもこいつを止めれないだろう。
「・・・はぁ。2人も用意するのか?そんなに・・・」
考える俺。
やっぱりその姿は考える人の構え。
一人はぱっと浮かんできた。
清水亮平。
俺の幼馴染だし、学校での友達って言ったらそいつしか思い浮かばない。
亮平は昔から「女が居る」と言ったら遊ぶ確立100%だから、まぁ間違いなく来るだろう。
あと、一人・・・。
「と、言うか風紀あんまりゆっくりしていると学校に遅刻しちゃうよ?」
「え?」
時計の方に指を指す明日香。
その指をどんどん追っていくと只今の時刻が分かった。
「・・・8時25分」
そう呟くと俺の行動はただ一つ!
「・・・明日香〜!早く出て行って、制服にきがえろぉ!」
手でしっしとしながら明日香を追い出す。
着替えて学校の準備。
トイレを済まして、明日香を待つ。
「・・・遅い!」
只今の時刻8時33分
学校にはホームルームが始まる8時40分までには着かなくてはいけない。
ダッシュで行けば4分30秒で着くが、あの明日香のスピードだ。
何分掛かるか分からない。
「ごめんごめん支度してて・・・」
焦って着替えたみたいで少し制服が乱れてる。
明日香が俺より先に玄関へと向かう。
その後姿を見ると、明日香のスカートが曲がっていてパンツが見えている。
「あ、明日香・・・」
俺は咄嗟に後ろを向く。
「何〜?」
全く気付いていない様子。
「ス、ス、スカートがめくれてるぞ・・・」
「嘘ぉ〜!」
必死でスカートを直す明日香の姿が目に浮かぶ。
学校一可愛い明日香のパンツを朝から見てしまった・・・。
水色の点点が微妙に入っているパンツ。
「ぐぉ・・・」
何故かそういう風に口から言葉がこぼれてしまう。
男の自然現象が起きてしまったのだ。
朝からとは・・・情けない。
「風紀のエッチぃ」
まぁ・・・この自然現象は明日香にばれないでしょう。
そう思って俺も玄関に向かう。
靴を履いて、さぁ学校へ!
そう思った瞬間の時刻8時35分。
俺が普通に走ってギリギリ間に合う距離。
ダッシュの準備をして走り出す俺。
「これじゃあ間に合わないね」
後ろのほうからそのような声が聞えた・・・。

学校に着く。
「お〜い、お二人さん。二人仲良く遅刻の登校か?」
先生が冷やかしてくる。
「ち、ちがっ」
違いますよ〜!って言おうとしたのだが明日香の声が俺の言葉を遮った。
「そうなんですぅ。いいでしょ!」
こいつは・・・小悪魔か?
「や、やめろって明日香!」
教室では「ヒューヒュー」という声があちこちから聞える。
「若いね・・・お二人さん」
そう言って俺の肩にポンポンとしてくる先生。
普通に走りすぎていればこんな風にはなっていなかったんだ。
あの時俺は明日香をおいていくことも出来ず、いつもどおり歩いて学校へ向かったのだ。
そして今この状態。
「確実に勘違いされてるな・・・」
冷やかされるホームルームも終わり、俺は椅子に座って、机の上に頭を乗せてぐったりしている。
明日香はいつものように、女友達とわいわいがやがや話している。
「平和だねぇ・・・」
俺の今の心の声は全て口から吐き出される。
「よっ風紀!」
そう手を上げて挨拶してきたのは幸助だった。
「おはよう・・・映画研究部のムードメーカ山田幸助」
「何でそこまで長く俺を紹介するんだ・・・。
それでどうした?朝から元気がないじゃないか!ラブラブ登校してきたのに!」
「ラブラブねぇ・・・」
「俺たち男から見たらあの光景は夢のようだぞ?しかもあの明日香ちゃんと来た!あんな彼女持って風紀は嬉しいだろ?」
「そうですねぇ・・・って俺たち」
付き合ってない!と言おうとしたのだが今日二回目の遮り。
「俺も彼女がほしい!」
幸助が俺の元でそう叫ぶ。
・・・ピコン!
俺の頭の上にビックリマークが存在したのが分かった。
「おいおい。お前頭の上にビックリマーク出してどうしたんだよ ?」
・・・幸助見えているのか?
「明後日さぁ幸助暇?」
「え?暇・・・ですねぇ」
「じゃあ俺と遊ぼう!もれなく女子もついてくるから!」
「え?女子も?行く行く!何時に何処集合?」
ワクワクな顔しているなこいつ。
幸助は女好きと見た。
「じゃあ、明後日11時45分に学校校門前集合」
「アイアイサァ!」
自衛隊の格好とでも言える格好をして俺たちの会話は終わった。
次は亮平だな。
昼休み。予想通り亮平は俺の元へ。
「おいおい。風紀今日遅刻したのか?」
「まぁな。寝坊して」
「おまえの寝坊癖は今に始まったことじゃないが・・・」
そう。俺は中学時代、寝坊しすぎの問題児だった。
「それで亮平。明後日暇か?」
「明後日・・・誰が来るの?」
「幸助と女子3人」
「女子!」
明らかに女子のところに反応する亮平。
「そうそう。で遊べる?」
「勿論!」
「じゃあ学校校門前に11時45分に集合で」
「分かった!!!」
それからは亮平の噂話が始まった。
因みに亮平の趣味は当然人間観察だ。


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