「・・・おぉすげぇ」 またしても幸助が呟く。 別にそれほどすごくないような気もするのだが気のせいだろうか? 棚の上には人形が置いてあって、机の上には勉強道具が少々。 テレビは最新のテレビ。 まぁ、それはすごいか。 簡単に言うと一般の女の子のような部屋。 ポスターとかも張っていない。 学校一美女だからと言っても普通の女の子と変わらないのだ。 なのに、幸助は「・・・おぉすげぇ」なのだ。 可笑しい。可笑し過ぎるぞ幸助。 お前はやはり女好きのエロだな。 「何、お前俺を見てニヤついてんだよ」 だって、幸助が可笑しいからしょうがないじゃん。 「なんか明日香の部屋・・・シンプルだねぇ」 そうそう。沙希のような言葉があっているのだ。 シンプル最高! 何故か分からないが俺は心の中でそう叫ぶ。 「まだ引っ越してきたばっかりだからねぇ」 明日香が笑いながら言って、自分のベットに座る。 それにしても、明日香の部屋は意外と片付けられている。 O型(俺が勝手に決めたのだが)の明日香は大雑把だとおもったのですが。 「結構広いね・・・」 亮介は周りを見ながら俺に呟いてきた。 「だな・・・」 はっきり言って俺の部屋より大きいかも・・・。 「いいなぁ。俺もこれぐらいの部屋欲しいし!」 亮介は目を輝かしている。 それほど、この大きさの部屋が欲しいのですか・・・。 「そういや俺、風紀の新しい家に行っていないよな?今度行ってもいい?」 亮平が欲しいし!の後に付け加えていった。 「家は無理!」 「何で?」 「まだ・・・色々あってね」 「そうか・・・ならいいけど」 そう言って亮平は机の方に歩いていった。 「まっ私の部屋はこんなものだからね?6人もこの部屋には・・・きつくない?」 明日香が俺に目で合図をしてくる。 ん? あぁ、この部屋からはもう出て欲しいよ合図か。 よし。俺は明日香のために一役買ってあげようではないか。 「そろそろリビングに戻らない?」 俺は明日香に言った。 すると沙希が俺に向かって「何で?」とちょっと怒り口調で言う。 「だって・・・ほら、幸助が興奮してきてるから・・・危ないだろ?」 「お、俺は興奮なんかしていない!」 ふっ・・・ごめんよ幸助。 一応、本当のことだから我慢してくれ。 「それなら大丈夫!五十鈴は殴り合いなら強いから」 ・・・あの天然でよく分からない五十鈴が? 殴り合いで強い? 「昔から・・・空手と、合気道と、柔道習っていたの・・・」 外見普通。足の細さ普通。腕の太さ普通。 ・・・何処からそのような光景が思い浮かぶ? 「だから大丈夫だよ」 そう言って沙希は俺に向かってVサイン。 ・・・やっぱり危険人物・・・。 何を考えているか分からないな沙希は。 しかし、まだ明日香は俺に目で出ようと訴えている。 この沙織を乗り越えろというのか・・・。 「じゃあ・・・俺外に出てるわ・・・」 そう言って俺一人外に出た。 そうした方がよかった・・・訳ではなく、ただ単にあそこに居たくなかっただけ。 女3人が居るあの部屋にあれ以上いたら頭がバグってしまう。 中ではどうせ「乗り悪いなあいつ〜」とか沙希が言っているんでしょう・・・。 お茶を自分で注いで、ソファーに座り、グダーとしている俺。 それから2分後、亮平が出てきた。 「よっ」 「おぉ亮平。お前が一番に出てきたか」 「何かあそこには居づらくてな・・・」 頭をぽりぽりかきながら言っている。 「それにしても、風紀は自分の家のようにくつろいでるな」 「・・・へ?」 思わず、いつもより1トーン高い音で返事をしてしまった。 「・・・だから、自分の家のようにお茶を勝手に入れて、ソファーの上でくつろいでるよな。って言っているんだよ」 ・・・まさにその通りだな。 一人だからついつい油断をしてしまった。 この風紀・・・不覚。 「まぁ、俺は別にこういうやつだから」 無理やり笑みを作って俺は言う。 「そうれもそうだな」 納得したようで、俺の隣にズシッっと座る。 少しばかり納得されるのも嫌なのだが。 ソファーで噂話ではない話を俺たちがしているとき、五十鈴と沙希と明日香と幸助が出てきた。 亮平が出てきてから約5分。 幸助は一人で何をされていたのだろうか? それとも、幸助は何をしていたのだろうか? ・・・謎だ。 明日香はこちらを見ながら笑ってくれた。 その顔に見とれてしまって、亮平との話も中断。 全く頭に入ってこなくなった。 さすがは学校一可愛い女の子。 俺もその笑いに笑みを返した。 ・・・只今の時刻6時。 高校なので家が遠い子も居るからそこで今日は解散した。 俺は一応外に出て、五十鈴、沙希、幸助、亮平とは逆の方向に歩き出だした。 こうでもしておかないとあそこまで沙希に疑われたんだ。 大丈夫なわけがない。 一応近くのマンションに入るふりをして、4人が行ったのを確認した後、明日香の家・・・じゃなく、俺たちの家に戻っていった。 エレベーターで4階まで上がって、405号室まで行く。 ガチャと勢い良く、ドアを開けると明日香の声が聞えた。 「おかえり〜〜!」 ・・・なんか嬉しいな。 「ただいま」 俺はそう言って家の中に入る。 「今日は疲れたねぇ〜」 「本当に・・・」 笑いながらそういう俺達。 それからは今日ばれそうになった危なかった話や、幸助が男子一人で明日香の部屋に残っているときの話をした。 あの時幸助はじっと明日香たちの行動を見ていたらしい。 ・・・ある意味危険な男だな。 「じゃあ俺は一回部屋に戻るから」 と俺は言って、自分の部屋を開けようとした。 ゴン。 鈍い音。 そうだった・・・箪笥をドアの前においていたんだっけ。 隣の家に行かなければならないのか・・・。 はぁ。と一度溜息をついた後、俺は隣の部屋に頼みに行った。 ちゃんと許可を取って、俺の部屋のベランダに侵入。 窓はちゃんと開けておいたのですんなりと入れた。 「・・・面倒くせい」 その言葉が部屋に入ったときの最初の言葉。 そのわけは・・・ 部屋中に、リビング等に置いてあった私物が散乱しているため。 その部屋を直すのに1時間以上掛かったのは言うまでもないな。 ←戻る TOP 進む→ |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||