「・・・おい。はしゃぎすぎだろ」
只今明日香と二人で遊園地に。
「だって遊園地だよ!?すごく久しぶりなんだもん!」
久しぶりって言ったってなぁ。
周りの人が注目しすぎなんだって。
何で、くるくる回りながら歩いてるんだよ。
「ねぇねぇ!あれ乗ろうよ!」
明日香は人差し指をその方向へと向ける。
その先には、90Mはあると思われるジェットコースターがあった。
「は〜い」
今日は、決して明日香に逆らえない。
明日香が俺の先を歩く。
こう見ると、明日香と俺は彼氏、彼女って言う感じの関係なんだろうな。
「早く〜!」
明日香はいつのまにか走っており、長蛇の列に並んでいる。
・・・ま、ま、待ち時間1時間。
はっきり言うと、俺は待つ時間が一番嫌いだ。
1時間って何だよ1時間って。
嫌になってくるなコレ。
「風紀〜」
只今列に並んで40秒。
「なんだ?」
「喉渇いた」
「そうか」
俺と、明日香は見つめ合う。
いや見つめ合うというより、お互いの心を読んでいるって感じの風景。
「・・・ぅ」
「はい〜私の勝ち!」
「買ってくればいいんだろ」
大きく頷く明日香。
やっぱり、あいつの顔なんて見るんじゃなかったと後悔。
「何がいい?」
「ん〜と風紀のお勧め!」
「俺のお勧めだったら、炭酸飲料にしちまうぞ?」
「う・・・」
因みに明日香は炭酸というものが飲めない。
「それだけはやめてくだせぇ。風紀隊長」
「わかったぞ。明日香二等兵」
意味不明な会話で、周りがクスクスしているのが分かる。
恥ずかし。
今すぐにここから逃げなくては。
「じゃあお茶でいいな?」
「うん!」
もう、これしかないという笑みで明日香は俺に言った。
周りの男子共の目が光る。
明らかに明日香のその笑みにほれただろう。
一部の女子が、目を光らした男子にけりを入れている人たちが居る。
まぁ、明日香のあの笑みを見て振り向かない男子はいないでしょう。
俺は小走りしながらお茶を買いに行く。
売店に着いた。
「お茶!」
と一言。
その5秒後。
「と、アップルジュース!」
因みにアップルジュースは俺が飲む。
こ、子供っぽいとか思うなよ!?
林檎は美味しいのだ。
「合計、400円です」
ポケットから財布を取り出し、銀色のお金を3枚取り出し、他に銀色のお金が無いか確かめる。
・・・。
仕方なく茶色をしたコインを5枚取り出し、銀色の穴が開いた物を取り出した。
それを店員に渡す。
多分、その店員は『細か!』とか思っているんだろうな。
お釣りはなし。
やはりA型の特徴なのだろうか。
1000円出して、お釣りを600円もらっておけばいいのに、とか思う奴らがいるだろうけど、俺はそういう細かいことは無理だ。
家に帰ると、貯金箱に1円と5円と10円玉を入れるのだ。
それで財布の中身を少なくする。
・・・。
そんなことは後にして、俺はお茶とアップルジュースを手に取り明日香の元へと戻る。
明日香の前に男二人がいるのが確認できた。
ナンパか?
まぁ明日香は可愛いからな。
ナンパぐらい・・・って。
「明日香!」
「あぅ風紀」
その男二人が俺の方を睨み付ける。
「誰あんた?」
右に居る男が俺に向かってそう言った。
「友達だけど?あんたは?」
聞き返してやる。
「はぁ?何で教えなきゃいけねぇんだよ。まぁ友達ならいっか。この女借りてくぜ?」
・・・ブッチーン。
はいはいはいはい。
殺しますよこの男。
「やめろよ?」
笑顔で俺は言う。
「はぁ?やだね」
・・・。
右手、抹殺準備OK。
左足、相殺準備OK。
「やめろって」
ビービービービービー!
最終警告です!最終警告です!
「うざいよあんた?」
左側にいる男がそういった。
・・・。
ドカーン。
俺は明日香にお茶とアップルジュースを渡し、下を向いてこう言った。
「否無躊躇。右左死簾」
通訳(躊躇するなんてナイナイ。右の奴と左の奴、死す。)
「何呟いてんだよ?」
右のやつが言った。
その瞬間。
目には見えぬスピードの右の野郎に右フック。
フックを戻す反動で回転し、左に居るやつに肘打ち。
左の奴は一発KO。
右の奴はまだ意識があったので、左足で上段蹴り。
死亡。
「ふぅ・・・」と大きく息を吐いてこの惨劇は終了した。
その場に倒れている奴はほっとくとして、俺たちは順番が回ってきたジェットコースターに乗る。
1時間と言っていたが、10分程度でまわってきたな。
それもそのはず、あの惨劇をした後、前にいた集団ほとんどが消えていったのだ。
明日香は驚いている表情。
「あ、明日香がやられていたから。そういうときにしかしないぞ?俺は」
また明日香の笑みが見れた。
「ありがとう!」と言うときに。


その日のお遊びは無事終了した。
因みに、今日一日俺の奢り。



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