「今更ですが、話し合いたいとおもいます」 文化委員である幸助が前に出てそう言った。 何が?という話だと思うが、今俺たちの文化祭で出すのを考えている。 「まぁ、一年生ということもあって、最初は何するか分からないですよね?」 皆、一斉に頷く。 「まぁ展示という手もあるんですけど、やっぱ出店とかがいいよね?」 皆、一斉に再び頷いた。 「で、何がいいか、アンケートをとりたいと思います。今から回す紙に、何がいいか書いて」 そう言って、文化委員である幸助が紙を回しだした。 ん〜何にしよう。 漫画喫茶? ・・・面倒だな。 ふと、隣にいる明日香の紙を覗き込む。 「・・・へ?」 小さな小さな声が俺の口からこぼれた。 だって、猫耳メイドカフェ。 そう書いてあるんだもの。 ・・・明日香のメイド姿〜〜〜。 って何妄想してんだ俺。 じゃあ俺も猫耳メイドカフェと。 「では、後ろから紙を集めてきてください〜」 幸助が時間を見計らったかのようにそういった。 「では、読んでいきまぁす!映画、喫茶店、コスプレ喫茶、ドリンクバー、ストラックアウト・・・猫耳メイドカフェ、じゃんけん大会・・・猫耳メイドカフェ・・・」 まわりもザワザワしている。 漫画喫茶と、猫耳メイドカフェが3票ずつ。 まぁ、後一票は誰が入れたというのは置いといて、多数決ということになった。 幸助が皆を机に伏せさせ、どちらがいいか手を上げようと命じた。 「漫画喫茶がいい人!」 バッと言う音が近くから聞えてきた。 7秒後に、「はい下ろして結構です」という声が聞えた。 「猫耳メイドカフェがいい人!」 俺はゆっくり手を上げた。 「はい、下ろして結構です」 早っ! 俺が手を上げてからコンマ2秒ぐらいだろう。 まぁ、漫画喫茶にに決定だな。 そう思い、顔を上げた。 前の黒板に書いてあったのは、 漫画喫茶1人。猫耳メイドカフェその他。 おお!猫耳メイドカフェだぁ。 ってちょっと待て。 一人数えるのに、7秒ぐらいも掛かったのか? 幸助の目はもう老化している・・・のか? 「というわけで、猫耳メイドカフェに決定です!拍手〜」 パチパチパチと喝采が沸いた。 「やっぱり女の子がメイドするってことでいいよね?」 男共が大拍手。 やっぱり、明日香のメイド姿。 見たいな〜! ・・・いかんいかん。 エロ親父になる所だった。 実はエロ親父になるのに、時間は掛からなかったりするわけだが。 そんなことはどうでもいい。 明日香の猫耳メイド。 萌え〜〜〜! 「どうしたの風紀?」 隣にいる明日香が俺に話しかけてきた。 その顔を見ると、一瞬猫耳メイド姿の明日香を妄想。 ブッッッ! 鼻血が、たらぁと出てきた。 「だ、大丈夫!?誰かティッシュ持ってない?」 明日香が俺を心配して、周りを走り回ってる。 「風紀君が持ってるんじゃない?」 沙希がそういった。 「風紀は持ってないよ。沙希持ってないの?」 「うん。持ってない」 「誰か持ってない〜?」 大きな声で叫ぶ明日香。 もう少し声のトーンを下げても宜しいのではないかと。 と言うか、その前に明日香。 「お〜い明日香!」 俺が明日香を呼ぶ。 しかし、明日香には俺の声が届いていないらしい。 「明日香〜!」 ピクッと一瞬反応した明日香だったが、そのまま俺を無視したのだ。 「明日香ぁぁ」 少し俺の声のトーンが落ちる。 「な、何!?」 やっと気付いてくらえたようだ。 「も、もう止まったから大丈夫」 みんなの視線が俺に集まる。 い、いやそんな目で見られても困るんですけど。 何でそんなに早いんだ?見たいな目をして。 まぁ俺の過去にも色々あるのさ。 「そ・・・よ、よかった!」 アハハと言いながら、明日香は自分の席に戻った。 「ありがと。明日香」 優しい声で俺はそういった。 まぁ、これが常識というものだろう。 やはり明日香はいつものように照れているようだが。 そこが、可愛くてしょうがない。 「では、誰が買い物しに行くか決めたいと思います!」 は〜いという声が教室のあちらこちらから聞えた。 「まぁ、文化委員である俺も参加しますから、安心してください!男女一人ずつということで」 また、は〜いという声があちらこちらから聞えた。 その数十秒後。 「では、明日香ちゃんと風紀に決定で」 またまた、教室のあちらこちらから、は〜いという声が聞えた。 ・・・マジですか。 「ぅ〜」と唸りながら俺は机に伏せた。 ←戻る TOP 進む→ |
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