ある日の朝。 高校生になって、早くも3度目の春を迎えた。 と言うわけで、俺たちはもう3年生。 上級生を持たない身となり、自由奔放・・・ともいかず、 何かと忙しい毎日だ。 進路が何ちゃらとか、就職が何ちゃらとか。 3年生も、そんな簡単ではない。 という、1年になりそうだ。 そう、今日が始業式。 3年生初の学校なのだ。 1年生の文化祭最終日から明日香と俺は付き合ってる。 まぁ、クラス公認の・・・とかではなく、亮平、沙希、明日香のお母さんぐらいしか知らないんだけど。 同居していることも。 いや、もう付き合ってるから同居じゃないか。 同棲。 まぁ、恥ずかしい言い方だが、周りから見たらそう言い方になるのだろう。 因みに、俺の体質の件だが、告白したとき俺は明日香を抱きしめていた。 「風紀〜!」 いつものように、俺の部屋の前で明日香の声がする。 やっぱり、付き合ってると言っても、男女は別々の部屋で寝た方がいいのだろう。 「はぁ〜い」 一応返事。 その返事が、聞えていなかったのかは知らないが、バタンと大きな音がして、俺を包む暖かい布団が一瞬にしてなくなった。 「え?」 俺が、そう発したときにはすでに遅し。 俺の上には、女の子特有の柔らかさと、人間の重みがのしかかった。 ビクッッッッ! 忍者でも驚く身のこなし。 その重みを感じた瞬間に、部屋の角まで吹っ飛んだ。 ガクガクブルブル。 体中が震えてる。 「あ、あ、あ、あ、あ、あ、明日香!! 俺をコロ、、、殺す・・・殺す気か!」 息が荒い。 そして、目が覚めた俺。 そう、未だにこの体質とはおさばらできていない。 「だって、その反応面白いんだもん!」 満面の笑みでそう答える明日香。 この笑みに弱い体質とも・・・おさばらできていない。 「こ、今度から普通に!! あくまでも普通に起こせよ?」 「は〜い」 はぁ、こいつ分かってるのか分かっていないのか。 まぁいっか。 いつも通りおきて、パジャマを着替え・・・ 「おい明日香。いつまでそこに居るつもり?」 ニコニコ姿の明日香がこちらを向いている。 聞いてるのですか?明日香さん。 「明日香!」 にこっと、微笑を浮かべて明日香に怒鳴った。 「え!? あぁ、ごめん!」 両手を合わせて、ペコペコ頭を下げる。 それじゃあ、どっかの宗教みたいな格好だ。 「分かったなら・・・出てってください」 「は〜い!」 そう言って、手を振りながら、俺の部屋をようやく出た。 今年も、疲れそうだ。 はぁ。と、また大きく溜息をついた。 制服に着替え、下に向かう。 すると、明日香の手料理がちょこん?と待っていたのである。 明日香の手料理は美味しいからな。 パクパク食べ始めようとしたとき、俺はある存在に気づいた。 念のため、目をゴシゴシしてみる。が、その存在は消えなかった。 「りょ、亮平?」 「おう。亮平だ」 「なんなんだ!?こんな朝早くに!!」 パクパク、明日香の手料理を頬張っている。 「ひひはろ? ほれとほまへのはかじゃはいか」 「ちゃんと食ってから喋れ」 俺が指摘すると、先ほどまで亮平の口にあった物が、一瞬にして腹の底へと落ちていった。 「いいだろ? 俺とお前の仲じゃないか」 「よ、よかねぇ!」 俺と、明日香の至福の時間を・・・邪魔しやがって。 「なぁ明日香?」 明日香に手助けを求める俺。 少々情けないが、ここは仕方あるまい。 「別にいいんじゃない〜?」 パクパク、自分が作ったご飯を頬張っていく。 あ、明日香に手助けを貰おうとした俺がバカだった。 今日、3度目の溜息をそこでついた。 TOP 進む→ |
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