涙が止まらない。
なんとか、郁に見つからずに家に着いたものの、こんな所に居たら郁に見つかるのも時間の問題。
今、郁に合わす顔がない。
会ったところで、どんな反応をすればいいのか。
あんな変な盗み聞きしてしまい、しかもその内容が私の事好きだなんて!
なんで!?
今まで私たちは、Likeの関係で。最も仲のいい友達で。
喧嘩は・・・毎日してたけど!「喧嘩するほど仲がいい」って言って、仲がよかったじゃないか!
あんなこと・・・郁が言うとは思わなかった。
真苗ちゃんも何故か気付いてたみたいだし。
こ、これは神様が私に与えた試練なのですか!?
何故、こんな厳しい試練を与えるのですか!?
涙が、出るほど出るほど謎が深まる。
何で、私は泣いているのだろう?
何で、こんな気持ちになっているのだろう?
心臓がバクバク言ってるし、顔も赤い。
涙で分からないが、顔もやばい状態なのだろう。
どうする私!
まぁそんな事言っても始まらないか。
すると、自分の部屋のドアの前に人の気配がした。
「ガビーン!」
ついつい心境のオノマトペを声に出してしまう。
ドアの前にいるのは誰!?
まさか郁!?
その私の思いは的中することになる。
「か、楓ちゃん?」
「か、か、か、か、楓ちゃんとか言わないで」
ヤバイ。いつもの反応じゃないのが分かるよ私。
普通なら『楓ちゃん!?郁が楓ちゃんだって〜!アハハ!気持悪い〜』って言うはずなのに。
なんだこの反応。
まるで、いじけている小学生ではないか。
「さっきのガビーンっていうのは聞かなかったことにしてあげるからドアを開けておくれ」
「き、聞いてたんだ」
てか、『おくれ』ってなんだ!おくれって!!
「・・・」
「・・・」
「開けてよ楓。話したいことがあるんだ」
え〜!
そんな、話すことなんてないし。
こんな今の私、郁に見られたくない。
「い、今ちょっと顔見せれない状態なんだ」
「モンスターになってるのか?」
「そうそうモンスター」
おい!私!そこはツッコミどころだろう!
なんで「そうそうモンスター」で流してるんだ!
あぁもう駄目だよ。恥ずかしい。
「お、屋上で言ってたこと、本当・・・なの?」
私がその質問するとただ無言になる郁。
「真苗に言わされたとかじゃないの?違うの?」
お願い郁。否定して。
「そ、そう。真苗に言わされた」
なんだやっぱりそうか!泣いて損したぞ。
「なんて言うと思うか?俺が人を愛してるなんてそうそういうと思うか?」
・・・いいえ、思いません。
だってあなたは今までそんな言葉一言も言ってないもの。
付き合った人さえいないのに。
「お前が新斗に告白されて、俺はお前への気持ちに気付いた」
そ、そんな事いわれても。
「だけど、お前が俺の気持ちを知ったらこうなると思っていえなかったんだ」
そうだよね。私変だよね。
「だけど、今はそんな恐れなんか無い」
「そ、そうなの?」
「うん。だから今一度言う。俺は・・・お前が好きだ。LikeorLove?って今聞かれたら、俺は「Love」といえる。どんな場所でも、どんなときにでもいえる」
何を言っていいのか分からないよ。
「お前が俺のことを好きじゃないのは分かってる」
「そ、そんなことないよ!郁の事は好きだよ!」
あら。つい発しちゃいました。
「けど・・・それは・・・Loveじゃないだろ?」
何も答えられない。
Loveじゃない?私の好きは・・・Likeなの?
だけど、こんな気持はほかの人には感じたこと無い。
これがLoveと言うのなら郁の事は多分Loveなのだろう。
だけどこれがLikeと言うのなら郁への気持ちはLikeなのだろう。
「わ、分からないよ」
ベットに包まり、私はそう呟いた。



←戻る    TOP    進む→   
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送