某スーパーに男女合わせて6人のグループが居る。 「じゃあ、6人居ることだし、分担して買い物しようか」 文化委員である幸助が仕切る。 なぜかその行動がイライラしてくるのは・・・気のせいだろうか? 買出しは本当は3人のはずだった。 俺と、幸助と、明日香。 そう、3人だったはずなのに。 「ねぇねぇ〜どうやって決めるの〜?」 あの強気な沙希が居る。 「やっぱり、じゃんけんで決める?」 ・・・なぜか凛もいる。 「まぁ、それが一番だな」 3組なのに何故か亮平がいるのだ。 摩訶不思議な面子だなこりゃ。 「じゃあ、最初に勝った3人と負けた3人で」 幸助が仕切る。 う・・・仕方ない。ここはやっぱり、文化委員だからしょうがないんだ。 そう、仕方ない。 「最初はグー!ジャンケンポン!」 6人の声がそろった。 「お・・・綺麗に分かれたな」 幸助がボソッと呟いた。 因みに、 俺、グー。明日香、グー。亮平、パー。幸助、パー。沙希、パー。凛・・・グー。 ・・・神様。 あなたはここまでして、僕を苛めたいのですか? ・・・神様。 どうか、どうか、このメンバーだけは避けて欲しかったのです。 あなたは、悪魔ですか? 僕は・・・もう・・・生きていけませぬ。 「なにボソボソ呟いてんだ?」 隣にいた亮平が俺に向かってそう言った。 知らぬ間に、口に出してしまっていたらしい。 まぁ、聞えてなかったのならよかった。 「いや、別に・・・」 と亮平に答えておく。 俺が、妄想壁ということは気付かれたくない。 うん。 「私、明日香についてきたのに、何で明日香と別行動取らなきゃいけないのよ!」 沙希が幸助の胸倉をつかみながらそう言った。 おぉ!これは天使の叫びか? このまま行けば、俺は男子達と行動が出来る。 しかし、幸助は反論する。 「仕方が無いことだよ。君が僕と共に行動することは運命だったのさ」 「何であんたと私が共に行動することが運命なのよ!気持ち悪い」 沙希が身震いをしたようにも見えた。 まぁ、沙希の言い分が正しいな。 「じゃあ・・・」 幸助はそっと、沙希の耳元に口を持っていき、何かこそこそと話している。 その話が終わったと思ったら、沙希の口からとんでもない言葉が。 「そ、それじゃあ仕方ないわね・・・」 何ぃ!! 俺は、男子等行動。女子等行動の方が良かったのだが・・・。 何やってくれてるんだよ幸助は。 「じゃあ、明日香ちゃんと凛ちゃんと風紀は、コレネ」 そう幸助に言われて渡されたのは一枚の小さな紙だった。 中をそっと覗く。 どうやら、買い物の品物らしい。 「メイド服18着、猫耳18個、細長い紙を大量、メニューが載るような紙を大量」 ・・・。 細長い紙って何だよ? まだ、メニューが載るような紙は、説明できる。 メイド服、猫耳18っていうのは、女子の人数だろう。 「なぁ幸助。細長い紙って?」 考えるのも面倒なので素直に聞いてみた。 「細長い紙って言うのは、オーダーを取るときに必要な紙さ。分かったかい?風紀君?」 「はいはい。分かりましたよ」 やっぱり、仕切られるとむかつく。 「では、行ってらっしゃい!」 幸助が、俺たちに向かってしっしとした。 ・・・我慢我慢。 明日香と、凛を後ろに引き連れ、俺は歩く。 まぁ、当たり前のように無言状態だろう。 しかし、俺の考えは甘いというのを思い知らされた。 「ねぇねぇ風紀ぃ〜!」 凛が話しかけてくる。 大分、この寒気にも慣れてきた。 しかし! 未だに直らず、喋りたくない。 「風紀ってばぁ・・・」 ・・・ぅ。 そんな甘えた声を出すんじゃない!凛。 「な、何だよ!」 ぱっと後ろを向く。 すると、服売り場に明日香と凛が仲良く服を選んでる。 ・・・いや、仲良くって感じではなさそうだ。 「これ可愛くない?」 凛が俺に向いてニコニコしながらそう言った。 「可愛くない」 と俺は言い放つ。 まぁ、その言葉に凛がへこんだのは見なくても分かることだろう 。 「お〜い。明日香行くぞ?」 3秒ほど時間があっただろうか? その、3秒後に「う、うん!」と言って俺に近づいてきた。 しかし、凛は来ない。 「おい・・・早く行くぞ?」 凛を手招きする。 俺がそうした瞬間、顔がパァと明るくなったのも・・・言うまでもないか。 「まず、メイド服探すか」 メイド服なんて、そうそう売っていないだろう。 あの幸助の馬鹿は、何処で買えというのだ。 それに・・・このお金の量は何だ? 俺は、今までにここまで大金の金を持ったことは無いだろう。 軽く、50万はあるだろうか? 俺がお金をボーと眺めていると、明日香が俺の心境を察したかのように、お金の値段について話し始めた。 「それって、学校内のクラスの文化委員でじゃんけんして決めたらしいよ」 どんな学校だよ・・・。 「勝った順に、値段が決まっているらしいよ。私達のクラスは2番で100万円寄付してもらったんだって!」 自慢げに話す明日香。 ・・・ぅ。 明日香のその可愛げに俺は眼がやられるかと思ったよ。 それにしても、1番のやつらは何万円もらったんだろうか? 「えっと、因みに1番のクラスは500万だって」 ・・・え? ご、ご、ご、500万!? なんじゃそりゃぁぁぁぁぁ!!! 俺等の学校の理事長は金銭感覚が最早なくなってるのか? たかが、学園祭の為に500万。 いや、俺たちと、その他大勢のクラスをあわせると、2000万円ぐらいになるのだろうか? もったいない・・・。 色々考えていると、大分前方の方から凛が俺の名前を呼ぶのが分かる。 「風紀ぃぃぃぃぃ!」 「何だよ・・・」と言いながら俺は凛に近寄る。 「これこれ!」 凛はそう言って、俺にある物を見させた。 「・・・」 「ど、どうしたのぉ?」 凛は俺の顔を覗き込む。 俺が黙ってしまったその理由は・・・。 「な、何であるんだよ?」 メイド服と思われる物体が凛の手の中にあったからだ。 それに続いて、猫耳と思われる物体も・・・。 「そこにあったよ〜」 「マ・・・マジ?」 「マジ」 ・・・あるんだ。 メイド服と猫耳がここに。 可笑しすぎる・・・可笑し過ぎるぞ。 ←戻る TOP 進む→ |
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