「え〜と、映画研究部、部長の清水亮平です。そして、こちらに居るのが、秋本明日香副部長。映画研究部の主な活動は、映画を見ること。文化祭では、自分達で作った映画を発表したいと思います。映画研究部宜しくお願いします。」
亮平がそういうと、一年生の女子共は目にハートが映っていた。
マイクが明日香へと移り変わる。
「1年生の皆さん、入ってくださいね♪」
明日香が可愛らしくそういうと、男共の喚起の声があがった。
「うお〜〜〜!」
これは所謂、部活紹介というやつだ。
その間、関係ない俺達はクラスで自習なんだが、そんなもんしてる奴はいないし、先生も出張でクラスには来ない。
そんなわけで、俺たち3年生は気になる一年生を見に来たのだ。
「今年も多そうだな」
隣にいる幸助に聞く。
「だね」
そんなこんなで、部活紹介はあっさりと終わったのだ。
俺達は先生にばれないように、速やかに教室へと戻った。
その後に、明日香と亮平が戻ってきた。
「おつかれぇ〜」
隣に座る明日香に俺は、声をかける。
「う〜疲れたよぉ・・・」
「まぁあんな可愛く『1年生の皆さん、入ってくださいね♪』とか言ったら疲れるだろうな」
その場はシーンとなる。
「ま、まさか見てたの?」
「モチ」
「恥ずかしい・・・」
ボンッ! と音を立てて明日香の顔は一瞬にして真っ赤に。
「可愛かったぞ」
その赤さが面白くて、俺はついついそう言ってしまう。
もちろん、小さな声で。
「や、やめてよ・・・」
うわ。まじ面白い!
「ねぇねぇ君達ぃ、そんなところでイチャイチャするなって。ちゃんと分かってるじゃないか。イチャイチャと言うものが」
いつのまにか後ろにいたのは亮平。
「う、うるせぇな」
俺がそういうと、亮平の顔がさらににやけてきた。
「あらあら風紀君ったら顔が赤いんじゃないの〜?」
そんな顔している、お前に言われたくない。
「・・・黙れよ♪」
俺が不敵な笑みを浮かべながらそういうと、さすがの亮平もビビッタのか、それ以上何も言って来ることはなかった。
俺達は、学校で家のことを話さないと決めた。
学校にばれると問題だからだ。
高校生で、彼女彼氏関係のお二人さんが、学校の許可無しに同棲していると分かったら、明らかに停学・・・いや退学と言う場合もあるだろう。
そんなことを知りながらも、俺達は違う家で過ごせないのだ。
放課後になって、やっと帰り〜! と思うのもつかの間、俺達映画研究部は部活と言う行事がある。
なんだか知らぬが、一年生の見学とか言うのも・・・関係しているらしい。
「きょ、今日はやめておこうぜ?明日香」
鞄を持ち、俺達は特別教師に向かって歩き出した。
「駄〜目!私、一応副部長なんだから、こういうところには出なきゃならないの!」
あ〜そういや、明日香副部長だったな。
「風紀来ないなら、来ないでいいけど。晩御飯は風紀が作ってよ?」
そ、そんなぁ!
これは一種の脅し。
俺には選択肢が無いというのだ。
「わ、分かりました・・・」
仕方なく、俺は特別教室へと向かった。
「おいおい・・・マジかよ」
俺がそう漏らしたのは特別教室に入る以前のこと。
向かう途中の事であった。
「うわぁ〜すごい人数だね。何処行くんだろう・・・」
いやいや、見て分かる通り、あきらかに特別教室ですよ!
ざっと見、100人以上は居る。
廊下でだ。
見学は一応教室の中だから、教室に入るともっと多いのだろう。
考えただけで寒気がするよ。
廊下を歩く俺と明日香・・・と亮平。
いつの間にか横には亮平がいた。
「すっげぇ数だな。さすが明日香」
「え? 亮平君! 何時の間に・・・と言うか、なんで私がすごいの?」
・・・この二人の会話は俺にとっては、すごく疑問に思える。
すごいのは明日香だけじゃない。
亮平もずいぶんとすごいと思うぞ?
と言うか、この二人へ注がれる視線をどうにかしてくれ。
明らかに、俺の存在が闇へと化していく。
お〜い! 俺はここだ! 誰か助けてくれ!
そんなことを心の中で叫んでいると、特別教室に到着した。
そこにはズラーと並ぶ新1年生。
人数は・・・去年に匹敵するだろう。
素晴らしや明日香と亮平の人気。
。 「す、すごいな」
隣の亮平がそう呟く。
「ですね」
俺は新1年生を長めながらそう言った。
何事もなく、部活が始まり、進んでいった。
まぁ、映画見るだけなんだけど。
しかし、殆どの奴の目には明日香と亮平しか映っていないのだろう。
なんか嫌だな。
いつの間にか部活も終わり、家へと明日香と一緒に向かって行った。



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